<帝国ホテル>創意工夫で食材を使い切る、5つの取組み

 帝国ホテルでは従来より環境負荷軽減や人材育成に関する多様な取組みを進めていましたが、これらの取組みがSDGsに合致すること、そしてより積極的に推進するために2020年4月より「サステナビリティ推進委員会」を発足させ体制整備を行っています。
 主に「食品ロス」「環境対策」「安全・安心」「ダイバーシティ」「人材育成」と5つの柱がありますが、今回は食品ロスにスポットを当ててご紹介します。

〜全ての食材を生かし、使い切る〜

 どのホテルにも共通することだと思いますが、調理部門から出る食品端材や食べ残し等の食品廃棄物は相当な量に上ります。帝国ホテルでは、食品ロス対策はホテル業界において重要なテーマの1つであると捉え、食材仕入れの管理徹底に加え、「食材を最大限に生かし、無駄なく使い切ること」を常に心掛け、野菜の切れ端や魚の頭・骨等の部位も煮込んで特製ブイヤベースの出汁に使用したり、端材を社員食堂で提供するメニューとして利用しています。

〜サステイナブルなオリジナルソルト〜

 レモンの皮や甲殻類の殻、調理過程で発生する野菜の皮等、料理として提供する機会の少ない食材を低温のオーブンで焼き上げパウダー状にして塩と合わせたオリジナルのフレーバーソルトを作っています。これまではホテル内の調理に使用されていましたが、今年9月末よりホテルショップにて「サステナブルソルト」として販売もしています。
 また、売上の一部は海洋ゴミ問題に取組む一般社団法人JEANに寄付されます。MICE参加者へのノベルティにも使いやすそうです。

〜「ウェルカムジェスチャー」をより美しく、食べやすく〜

 客室に入れるウェルカムフルーツもあると嬉しい一方で、皮をむく・カットが必要等食べにくさを感じたり量が多く、残してしまう経験をなさった方も多いと思います。同ホテルでは、量を少なくし軽くつまめるように内容を改善したところ、召し上がるゲストが増え、食品ロス削減に繋がっています。

〜食品ロスを「環境循環型野菜」に活用〜

 2007年より、レストランや宴会場で発生する生ゴミを館内で乾燥させてパートナー企業を通じて野菜栽培の肥料として活用しています。その肥料を使い生産された野菜や米を「環境循環型野菜」として購入し、レストランの一部メニューで使用しています。

〜オーダーバイキングで食品ロス削減へ〜

 ホテル内のレストランでは、各テーブルにタブレットを設置し、オーダーバイキングを導入しました。これにより、計画生産による過剰な生産や廃棄を減らすとともに、注文が入ってから調理することで、出来立ての美味しさをゲストに提供できるようになりました。オーダーバイキングはスタッフからのアイディアを基に導入され、感染症対策と食品ロス削減を両立させています。

 様々な取組みを行う帝国ホテル、次回は環境対策にスポットを当て、ご紹介いたします。

 帝国ホテル:https://www.imperialhotel.co.jp/j/

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