欧米等、海外では日本よりも先行し対面イベント等が戻り、MICE業界回復の傾向が見られますが、マイアミビーチ・コンベンションセンターにおいて、コロナ禍に地元団体と協力し地域社会にイベント開催利益を還元し、地域貢献するプログラムを整備したことが掲載されていました。日本でも地元ステークホルダーとの連携強化を目指したり、市民へのメリット還元を検討するコンベンション・ビューロー、MICE関連事業者も多くいらっしゃると思いますので、以下、ご紹介いたします。
マイアミビーチ・コンベンション・センター（Miami Beach Convention Center, MBCC）は、コロナ禍初期から延期されたイベントの開催需要が高まっているため、年間を通じて広がるイベントに60万人以上の参加者を見込んでいます。
マーケティング・渉外担当ディレクターのAriane Hiltebrand氏によると、同センターで2022年に予約・確定している会議、コンベンション、トレードショーは74件に上ります。
中でも注目すべきは、7月27日と28日に開催される医療機器・装置業界最大級のイベント「フロリダ国際医療博覧会（FIME）」、8月27日から29日に開催される世界最大の多文化美容ショー「Bronner Brothers国際美容ショー」、9月12日と13日の「アメリカ食品・飲料ショー」、11月29日から12月3日の「Art Basel」です。
同センターのGeneral managerであるFreddie Peterson氏は、「我々のチームは、2022年に急速に加速するコンベンション、トレードショー、イベント、ミーティングの需要に対応しながら、同時に人工知能データを安全に活用するために、持続可能なビジネス手法、環境に優しいプログラム、多様性や公平性、包括性、ADAの取り組みに力を注いできました」と述べています。
年初の展示会や会議の多くは、渡航制限やコロナ関連の懸念から参加者数の予想を下回りましたが、7月8日から10日に開催されたフロリダ・スーパーコンなどの直近の展示会は予想を上回ったとHiltebrand氏は言います。
ReedPop社によると、テレビ、映画、アニメ、ビデオゲームなどのアニメキャラクターに扮した参加者が集まるこのスーパーコンには、5万5千人以上のゲストが集まり、300社以上の出展者が参加したとのこと。
Hiltebrand氏は、コンベンション参加者がホテルやレストラン、その他のアトラクションで消費することによる経済効果に加え、イベントは社会の持続可能性という点でも地域社会に利益をもたらすと語っています。
「MBCCは、毎年何万ポンドもの調理済み未使用食品をThe Caring Place、Miami Rescue Mission、Food Rescue Miamiに寄付し、食品廃棄物にせず、必要としている人に届けることで、地域社会に還元しています」と、彼女は述べます。「MBCCはまた、生ゴミを集めて堆肥化し、ここ数カ月で7,500ポンド以上の有機生ゴミをCompost for Lifeに寄贈しています。」
コンベンションセンターは最近、ペン、紙、バッグ、化粧品、ビーティ用品、衣料品、非生鮮食料・飲料、家具などを慈善団体に寄付し、マイアミビーチとグレート・マイアミ・デイド郡の地元非営利団体を支援するプログラム、Conventions C.A.R.E. (Community Assistance by Responsible Events) を立ち上げました。
同センターが主催したイベントは、2019年の38件に対し、2021年は約17件、参加者は77,100人だったとHiltebrand氏は話します。目標は年によって変動しますが、2022年イベントの現時点での目標は56件、これまでの数年先の確定予約は192件で、経済効果の総額は2億5800万ドルだと、Greater Miami Convention & Visitors Bureauは発表しています。
来年予定されている重要なショーは、1月19日から23日にかけて開催されるOriginal Miami Beach Antique Show、1月27日と28日に開催されるマイアミマラソンとHealth Fitness Expo、10万人以上の来場者と約10億ドルの総収入で今年も大成功したディスカバー・ボート・マイアミ 国際ボートショー、そして5月1日から3日に予定されているSeatrade2023があります。
新コンベンション観光局コンベンションセールス担当副社長のAlex Batista氏は、コンベンションセンターが「新しく改修・拡張されたコンベンションセンターと当地の高い需要を活用し、これまで以上に企業や団体のトレードショーを追求し競合しています」と述べています。
出典：MPI News Brief July 20, 2022
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