<海外情報>IMEXフランクフルト、3年ぶりに対面開催〜コロナ禍がもたらす優先順位の変化〜

2022年5月31日(火)〜6月2日(木)まで、IMEXフランクフルトが3年ぶりに対面での開催となりました。日本政府観光局(JNTO)はじめ、国内コンベンションビューローからの参加もあり、本格的なMICE再開を印象付けるものであったと思います。
今回の見本市ではNet Zero Carbon Events initiativeへの参加や持続可能性とDEIを支援を全参加者へ呼びかけ、サステイナビリティ・コンサルタントのMeetGreenと協力しSDGsを含む、業界標準に照らしたIMEXのパフォーマンスをベンチマークし、継続的な改善等、様々な取組みが見られましたが、実際にサステイナビリティを重視する傾向、JNTO MICEプロモーション部の川﨑部長のコメントが掲載されている記事がありましたので、ご紹介いたします。

IMEXフランクフルトのウェブサイトでは2023年の登録受付がスタート

〜優先順位の変化〜

今回の見本市では、当然のことながら、技術や気候変動、コミュニティへの参画やレガシー構築などが主な議題となりました。2020年初頭、コロナ禍に対応するために一夜にしてオンライン対応の技術力を取り入れなければならなかった業界にとって、対面形式への回帰は、将来の会議の形式と回復力が何を意味するかを中心に話が進みました。AMEX Global Business Travelは、2022年に予約されたミーティングが200%増加したと発表しましたが、2022年のこれらミーティングの39%がハイブリッド形式になると予想され、新しいミーティング形態にハイテクがしっかりと組み込まれていることが確認されました。

サステイナビリティは、ミーティングプランナーにとって重要な課題となっており、AMEX Global Business Travelでは、企業のRFPでサステイナビリティに関するトピックが上位3位を占め、特に気候変動への対処が優先事項の第1位であることを再確認しています。IMEXは、2023年末までにネット・ゼロへの独自の道筋を公表することが目標であると述べ、これを主導しています。
IMEXグループCEOのCarina Bauer氏は、「私たちは、イベントの持続可能性におけるベストプラクティスを自ら実践するだけでなく、私たちの影響力を利用して、この業界のすべての人々が最大限の努力をするよう働きかけることを約束します」と述べています。

これらの重要課題を戦略的思考を育む政策に落とし込むため、毎年恒例のIMEX政策フォーラムでは、19カ国から35人の政策立案者が集まり、これらのテーマすべてについてオープンプラットフォームで議論しました。“挑発パネル”では、測定とデータ、効果的なストーリーテリング、多様性と包括性、政府と業界の関係者間の協力強化、特にパンデミック後の都市の経済再生をどのように支援できるかがトピックとして取り上げられました。

〜日本〜

日本政府観光局(JNTO)は、IMEXにおいて、国際会議主催者協会(IAPCO)とデスティネーション・パートナーシップを締結し、日本初の、またIAPCOにとってはアジアで2番目の事業として、組織のコラボレーション強化の良い事例となることで踏み出しました。
「JNTOは、IAPCOのネットワークを通じて、世界の著名なPCOと積極的に交流するとともに、IAPCO会員を対象としたセミナーを実施したり招聘し、国際会議の開催地として日本の可能性を理解してもらう予定です」とJNTO MICEプロモーション部長 川﨑悦子氏は述べています。


〜南アフリカ〜

南アフリカ共和国のナショナル・コンベンション・ビューローもIMEXに参加し、会議やビジネス・イベントの開催地として自国を第一候補に挙げるようセールスを行いました。SANCBのチーフ・コンベンション・ビューロー・オフィサーであるAmanda Kotze-Nhlapho氏は、「Zoomからルームへ」と強調し、対面式イベントの南アフリカへの回帰を強く訴えました。また、南アフリカ観光局副大臣のFish Mahlalela氏は、イベント産業が南アフリカの経済回復の重要な起爆剤になるとし、政府による強力な支援を表明しました。
Mahlalela副大臣は、「南アフリカは、今回のような複数の見本市に様々な形で参加しており、何十億ランドもの経済効果をもたらす大規模イベントの開催に貢献してきました。私たちは現在、より安全な環境を整え、ビジネスイベントを含む需要を喚起し、中核となる観光インフラ資産を確実に保護することを目指す復興計画を策定し、実行しています。また、観光客や南アフリカ市民を守るために、安全保護のための規範や基準という点で、世界的なベンチマークを導入しています。私たちは、ビジネスイベント産業を成長させるという私たちのコミットメントを再認識していただくために、参加しました。

〜中国〜

多くの参加者が成長と回復を一番に考えている一方で、完全な復興はまだ少し先であることを思い知らされる場面もありました。2022年北京冬季オリンピックのメディアセンターとして活用され、現在は2008年北京オリンピック地区と一体化している中国国家会議センターフェーズIIは、2024年のオープンが予定されていますが、現時点では完全閉鎖しています。78万平方メートルの敷地に27万平方メートルの会議・イベントスペース、100の会議室、展示ホール、プレナリーホール、宴会場、スカイガーデン、敷地内に約1000室の5つ星ホテル、さらに5キロ圏内に1万室のホテルがあるという非常に大規模なスケールの複合施設です。LEEDプラチナ認定を受けたこの会場は、あらゆる規模のイベントにおいて国際的に大きな関心を集めており、視察や予約のために開放が待ち望まれています。

〜セントルイス〜

このイベントは、セントルイスからフランクフルトに飛び立った熱心な旅行・イベント関係者の一団が、私たち全員が目指すべき方向性を示す、非常に前向きな雰囲気の中で幕を閉じました。

セントルイス・ランバート国際空港のディレクター、Rhonda Hamm-Niebruegge氏は、「この数十年、ヨーロッパへの直行便がありませんでした。しかし、我々はついに手に入れ、本日就航しました」と語りました。
現在は週3便ですが、近い将来週5便になり、ドイツの航空会社ルフトハンザの好意により、毎日運航することを目標として、フランクフルトと直行便で結ばれました。そこからさらにヨーロッパ内、世界300都市と結ばれ、セントルイスでの国際ビジネスイベントの開催がより現実的な選択肢となるのです。

「アメリカ・センターはフットボール・スタジアムに併設されているので、大規模な会議、展示スペース、食事など、すべて一つ屋根の下で行うことができます」と、Explore St. Louis社の社長Kitty Ratcliffe氏は述べました。「また、世界的に有名な大学もあり、会議やインセンティブのコンテンツをサポートできる専門家が、この地域にはたくさんいます。団体客が興味のある場所や特定の場所のツアーも可能です。

このセントルイスのニュースによって、IMEXフランクフルト2022は、高い水準で幕を閉じ、過去数年の壊滅的な状況を経て、願わくば、近い将来、私たちすべてがどれほど良くつながるかを予感させるものでありたいと思います。

出典:MPI NEWS BRIEF June 4, 2022

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事 おすすめ記事
  1. 11月10日(水曜)19:00〜「MICEにおけるオープンエアの再発見」

  2. <小堀守氏>持続可能な日本型MICEの構築に向けて

  3. サイト開設にあたって

  1. <松江・くにびきメッセ>ユニークベニューは宇宙空間

  2. <小堀守氏>持続可能な日本型MICEの構築に向けて

  3. <専門用語>「マテリアル」「ケミカル」「サーマル」リサイクルの違い

カテゴリー

アーカイブ

検索

TOP
TOP