<沖縄>MICEサステナビリティガイドラインを発行

沖縄県および沖縄観光コンベンションビューロー(以下OCVB)では、2022年2月に「沖縄MICE開催におけるサステナビリティガイドライン」を策定し、2022年3月7日付で、OCVB運営のMICE情報発信サイト「おきなわMICEナビ」で公開されましたので、ご紹介いたします。

沖縄MICE開催におけるサステナビリティガイドライン


〜制作のきっかけ〜

沖縄県では、2000年の九州・沖縄サミット以来、国際会議やインセンティブツアー等、数多くのMICEが開催されてきました。2017年には沖縄MICE振興戦略が策定され、産学官が連携し、誘致やコンテンツ開発、ブランディング等を推進しています。その中で、今後もより多くの人を惹きつけ、MICEデスティネーションとして選ばれ続けるため、価値に磨きをかけ進化し続けるために何をするか、その答えの1つとして「サステイナビリティ」を挙げ、その第一歩としてガイドライン策定の運びとなったそうです。

〜沖縄MICE開催におけるサステナビリティガイドライン〜

本ガイドラインの中では、MICE事業者に対し、実践する行動として付属のセルフチェックシートを用いた現状把握と継続的な振り返り、MICE商品やサービス開発の促進、事業者間での情報共有を求めている他、沖縄県が掲げている「沖縄らしいSDGsの実現に向けた優先課題」の改善においてMICEに関連した取組みへの落とし込みとゴールを整理し示しています。
また、実践するための取組み手順や国内外の取組み事例を複数掲載し、具体的な活動のイメージができるようにしている他、主催者や会場、宿泊施設、飲食等MICE開催に関わるステークホルダーを8つに分類し取組みチェックリストを提示しています。チェックリストは難易度や各項目に取組むべき主体が一目でわかる工夫がされており、「大変そう、難しいのでは?」といった先入観を軽減するように感じました。

ガイドラインの「取り組みチェック項目」や難易度・分類説明


〜策定にあたり工夫した点について〜

ガイドラインを策定するにあたり、まずは沖縄が守り続けるべき地域の宝を整理したそうです。その中で「生物多様性」「生活文化」「伝統文化」「自然環境」「精神文化(平和の希求、多様な価値の受容、相互扶助)」を重視すべきポイントとして挙げ、行動指針やチェック項目にも反映させたとのこと。また、県内でMICEに積極的に取組む事業者55社に81の設問からなる実態調査を行い、現状を把握・分析することにより、難易度を設定したそうです。これら調査結果は策定委員会で共有・議論し、チェック項目の統廃合にも活用、事業者の意識と乖離がないように努めています。チェック項目のうち、「地域貢献」「ダイバーシティ」「自然・文化」に関する設問の多くは、観光庁が発行した「日本版持続可能な観光ガイドライン」に照らしながら、沖縄にフィットする表現としています。
加えて、欧州の先進事例を中心に海外を対象としたウェブ調査や国際団体のレポート・文献調査からMICE開催を通して貢献したいことやMICE事業者に期待すること等、主催者の関心事を洗い出し、提示することで主催者・事業者双方が各自の取組み、今後のイベントを計画する上でヒントとなる情報を盛込んだとのこと。チェック項目の設定にあたり、このような調査や分析に相当な時間・労力を要したようです。

ガイドラインが目指す方向性


サステイナビリティへの配慮は世界的に求められており、欧米での取組みが先行している印象です。日本国内では、東京観光財団の「TOKYO MICEサステナビリティガイドライン」や横浜観光コンベンション・ビューローの「MICEにおけるサステナビリティ取り組みへの入門書」が代表的であり、その他、個々の団体やMICE関連事業者が取組みを進めています。渡航制限も緩和され、MICEビジネスの本格的な回復に向け、全国的にサステイナブルなイベント運営の流れが加速することを期待しています。

沖縄MICE開催におけるサステナビリティガイドライン:https://mice.okinawastory.jp/reason/sustainability/
発行者:沖縄県、一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー
制作・編集:株式会社DMC沖縄
発行:2022年2月
公開:2022年3月7日

おきなわMICEナビ:https://mice.okinawastory.jp

沖縄のサンゴ礁イメージ写真



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