<海外情報>2022年、サステイナブルなイベントはどうなる? 7人のイベントプロフェッショナルが、COVID-19の中でグリーンな集まりを維持するための取り組みを紹介

サステイナブルなイベント運営としてペットボトルや使い捨て製品の削減は比較的多く取組まれていますが、新型コロナ感染症の蔓延以来、感染症対策として使い捨て製品が用いられることが増加しています。多くのプランナーがイベントの安全性と持続可能性を両立する方法にジレンマを感じていると、よく耳にしますが、イベントのプロフェッショナルである7人のプランナーが、より環境に配慮したイベント制作のために取組んだことを紹介する記事がありましたので、ご案内いたします。

1. Hilton(スコットデール)、コーポレートリスポンシビリティ(B2B)シニアディレクター Nancy Prowda氏

「ヒルトンが5年連続でダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックスでグローバルリーダーとして認められたことを誇りに思います。当社は、旅行が世界をより良い場所にすることができるという信念のもとに設立されました。私たちは、世界の重要な課題に取組む上で独自の役割を担っていることを理解しており、私たち全員にとってより持続可能な未来への道を開くと同時に、この動きを牽引していくことを誇りに思っています。2022年のイベント関連では、受賞歴のある当社独自のプラットフォーム「LightStay」の利用が増加する見込みです。LightStayと、Meet with PurposeやEventReady with Hybrid Solutionsなどの持続可能なミーティングサービスを通じて、参加ホテルでカーボンニュートラルなミーティングを提供することも可能になりました。お客様は、ホテルと連携して当社のプログラムをカスタマイズし、個々のサステイナビリティ目標の達成を支援いただけます」と述べています。

2. Innovate Marketing Group(ロサンゼルス)チーフ・エクスペリエンス・オフィサー Amanda Ma氏

「業務プロセスのデジタル化をさらに進め、社内外のコミュニケーションや契約書・請求書の送受信などの事務処理等、紙の使用量を前年比50%削減しました。今年は、さらに多くのプロセスをデジタル化することで、この数字をさらに減らしていきたいと考えています。枕やポスター、事務用品など、再利用可能なプロモーショングッズは、参加者が実際に欲しいと思って使うものか、それともイベント後にホテルの部屋に置き忘れたり、子供に与えて遊ばせたりするものか、私たちは常に、量より質を重視してきました。そして、何が目的なのかをしっかり理解することです。より少ないもので、より多くの目的を果たしていく。そして、会場にあるもの(テーブル、椅子、リネン、ガラス製品、植物、照明、音響システムなど)を利用し、クライアントの経費を節約、ネームバッジのリサイクルや登録の電子化等、私たちの標準的なサステイナビリティの実践を継続することです。」

3. WLA Events(トロント)オーナー兼プリンシパルプランナー Wendy La氏

「パンデミックの真っ只中に始まったイベント会社として、私のビジネスモデルは、クライアントに持続可能な代替案を紹介し、ベンダーにはより地球に優しい実践を始めるよう働きかけることです。私たちは、ビジネスの観点から環境に配慮したさまざまな取組みを行っています。私たちは、1回の予約につき最低5本の木を植え、1回のイベントにつき1トンの炭素排出を相殺することを約束しています。昨年は75本以上の木を植え、2022年にはその数を倍増させる予定です。また、会場(およびお客様)と協力して、最も大きなインパクトを与える可能性のある3つの主要分野に対処しています。イベント終了後に花や緑を再利用して埋立地行きにならないようにすること、イベント中に持続可能な代替手段を確認する機会を設け、クライアントと参加者双方にとって学びの場にすること、イベントでの食品廃棄物の削減に取り組むこと、です。」

イメージ写真です。本文と関連はございません。


4. EventDecision社(英国フリムリー)創設者 Matt Grey氏

「EventDecisionは、イベントのプロフェッショナルが企画においてより持続可能な決定を下すことを支援するもので、クライアント、代理店、会場、バーチャルプラットフォームの代わりに、イベントの持続可能性をCO2eトンという単位で測定します。これにより、代理店やクライアントは環境への影響を軽減し、その結果をクライアントのESG(環境、社会、企業統治)監査証跡(監査記録)に直接反映させることができます。」

5. Javits Center(ニューヨーク)特別イベント担当ディレクター Kayla Castellano氏

「今日、Javits Centerは、マンハッタンのウェストサイドに1エーカーの屋上農園をオープンし、サステナビリティを文字通り次のレベルへと押し上げました。2021年9月に完成した120万平方フィートの拡張工事の一環として、この屋上農園では年間最大4万ポンドの農産物を生産し、その農産物はCultivatedキッチンで年間を通じてお客様に提供する食事に取り入れられ、真の意味で他に類を見ないRoof to Table体験を実現する予定です。屋上には、世界最大の果樹園、牧草地、シェードガーデン、花粉媒介者に優しい植物や原生植物に焦点を当てた観賞用プランターもあります。また、屋上の植物を一年中育てることができるよう、オールシーズン対応の温室も設置されています。2つの地下タンクは雨水を貯留して処理し、作物やテラスの植栽に灌漑用水として使用しています。これらの設備はすべて、ジャヴィッツ・センターの6.75エーカーの屋上緑化の成功をベースにしています。この拡張プロジェクト全体は、米国グリーンビルディング協会によるLEEDゴールド認証を取得しています。」

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6. The Bulb(ロンドン)アシスタント・サステイナビリティ・アドバイザー Meg Strahle氏

「私たちは、代理店と協力して、サステイナビリティが最初から組込まれるよう意思決定しています。その中で、このような傾向が見られます。より多くのイベント関係者がイベントの二酸化炭素排出量を追跡し、測定し始めていますし、どの炭素計算システムを使えばいいのかという質問が増えています。islaが今年リリース予定のTRACEはトラッキングを容易にし、世界規模でイベント関係者をサポートするでしょう。現在、私たちは、不要なプラスチックで商品を包むのをやめるようサプライチェーンに求めたり、サプライチェーンにも持続可能な行動や調達を優先するよう求めたり、資源をゴミ箱に入れる代わりに慈善団体や企業に寄付するよう求めたりしています。EventCycleのような組織は、英国でのピックアップ、寄付の実施、チャリティへの配送を支援しています。また、今ではクリエイティブでサステイナブルなデザイン要素を考えるだけではなく、特に既存のインフラがゼロの野外イベントにおけるゴミ処理やトイレなどについても考えています。」

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7. Sodexo Live!(オーランド)サステイナビリティディレクター Molly Crouch氏

「Sodexo Live! は、北京で開催される冬季オリンピックの時期に合わせて、Leanpathが実施するWasteWatch に対応し、2月の1ヶ月間、食品廃棄物の削減と環境に優しい実践に焦点を当てたSodexoのGoalympicsに参加する予定です。例えば、オレンジカウンティ・コンベンションセンターでは、『チーム・デタミネーション』として、寄付や再利用による食品回収に力を入れます。Goalympicsは2月1日から28日まで開催され、私たちのチームに長期に亘る厳しい状況の時に待望の『メダル』を獲得する機会を与えてくれます。」

感染症対策とサステイナブル運営との両立は、イベント運営に携わる方に関心の高い内容だと思いますので、また新たな動きが出てきましたら、ご紹介したいと思います。

出典:MPI NEWS BRIEF January 20, 2022

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