米国旅行業協会は、初となる「Future of Travel Mobility」サミットを開催しました。このイベントは、ワシントンD.C.とオンラインのハイブリッドで開催され、業界のリーダー、政策立案者、イノベーターが集まり、シームレスで持続可能かつ安全な旅行を開発する方法について講演しました。
バイデン政権と議会がインフラ法案を検討する中、旅行業界では「今こそ、よりクリーンで安全な旅行手段を構築する時であり、アメリカがその道をリードすべきだ」、と明確なメッセージを打出しました。 米国旅行業協会の会長兼CEOであるRoger Dow氏は、「このような話し合いは非常に重要です。なぜなら、新しく革新的な交通手段は、単なるお客様の好みではなく、私たちの業界の将来を見据える上で必要不可欠なものだからです。これまで以上に強く、近代的で、国際的な競争力を備えた旅行業界を構築するチャンスなのです」と述べています。
Ipsos社と米国旅行業協会の調査によると、4人に1人(24%)のアメリカ人が、パンデミック前よりもレジャー旅行の回数を減らす予定で、ビジネス旅行者も5人に2人が今後2年間の旅行回数を減らすと回答しています。
Ipsos社は、電気自動車、二酸化炭素の排出量が少ない航空会社や燃料、運輸保安局の審査の改善、ハイパーループや超音速機などの効率的な輸送技術など、より持続可能でシームレス、安全で近代的な旅行の選択肢があれば、アメリカ人の旅行は増えるだろうと考えています。
パネルディスカッションでは、様々なテーマが取り上げられましたが、持続可能性とイノベーションはどのテーマにおいても最優先されました。ゲストには、バイデン政権のメンバー、国会議員、航空会社のCEO、新しいトラベルエコシステムに向けて準備を進めている企業のイノベーターなどが参加しました。
Virgin Hyperloop社のCEO兼共同設立者であるJosh Giegel氏は、この新しい技術が都市間の移動をいかに効率化し、D.C.からN.Y.C.までのような混雑したルートを通過する時間を短縮できるかを説明しました。
Boom Supersonic社の創業者兼CEOであるBlake Scholl氏は、世界中の国際的なハブ空港間の移動時間を短縮する機体で、すぐにでも空を超高速化することができますし、Joby Aviation社の創業者兼CEOであるJoeBen Bevirt氏は、短距離用のバッテリー駆動の航空機で、目的地間の短い乗り継ぎを簡単にしたいと考えています。
今回のFuture or Travel Mobilityサミットでは、パンデミックを「リセット」と捉えました。AFarの編集長Julia Cosgrove氏は「パンデミックはポータルになり得る」と言います。「私たちはリセットして、旅行をより持続可能で安全なものにすることができるのです」。
業界のリーダーや一部の議員は、今こそ生体認証の時代だと考えています。この技術は人間よりも精度が高く、さらに改良してより良いものにできると考えています。また、電気自動車が未来の道であるという点でも、リーダーたちの意見は一致しています。しかし、最大の障壁は「航続距離への不安」です。この点については、General Motorsが全国のディーラーに4万台の充電器を提供することを発表しており、EV充電ネットワークが国内のインフラの優先事項であることが広く合意されました。
Virgin社のJosh Giegel氏は、「今日構築するインフラが、この先何十年も持続可能な旅ができるかどうかを決める」と語りました。革新的な未来への道筋についてのこうした有意義な議論は、経済を立て直し、より持続可能な旅行業界を作るための鍵となります。
米国旅行業協会の広報・政策担当副会長であるTori Emerson Barnes氏は、「米国旅行業協会は、旅行、交通、技術の各分野で重要な議論を行うために、非常に関連性の高い多くの業界および政府のリーダーを一堂に集められることを誇りに思っています。米国経済と旅行者に利益をもたらすためには、必要な政策を推進し、新しいアイデアを前面に打ち出すための協力関係を継続することが不可欠です」と述べました。
引用:MPI NEWS BRIEF October 27, 2021
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