2021年11月1日にオープンした出島メッセ長崎。記念式典の様子は「<長崎>11/1出島メッセ長崎開館 リアルに500名が参加」でご紹介したところですが、同館が取組むサステイナビリティについて、鹿尾館長に伺いましたので、ご紹介いたします。
〜あらゆる箇所にサステイナビリティ視点〜
新しくできた施設ということもあり、館内の照明器具は全てLEDでエネルギーの消費量を抑えています。ホワイエの壁面には、間伐材等を利用して作られた「木毛セメント板」を使用しているため、耐湿性・吸音性に優れ、断熱・耐火の効果もあります。
館内にはデザインのアクセント等でも木材が使用されていますが、これは間伐材や県産材とのこと。デジタルサイネージも多く設置され、印刷・制作物軽減に役立っています。また、雨傘のしずく取り用具を設置することで、ビニール袋の使用とゴミの排出を避けたそうです。
トイレ個室のドア上部にパネルが付き、ドアの開閉によって空き状況が一目でわかるように工夫されています。また、記念式典の紹介記事でも触れましたが、一部の女性用トイレでは通常30個室ですが、可動式仕切りの活用により、36室に増やすことができます。
*長崎の「ハタ」:長崎独特の「凧(たこ)」のこと
〜木毛セメント板とは〜
木・水・セメントを材料として製造された建築資材で、1923年関東大震災の復興材料としてドイツから輸入されたことに始まり、1920年代後半(昭和初期)より国産化され主要建材として広く使用されています。
間伐材や製造残材等を有効利用しているため、省資源であることや、断熱性に優れ省エネルギーを実現する他、耐火性にも優れています。
また、アスベストやホルムアルデヒド等の有害物質を含まないため環境や人体にも優しく、音の遮断や吸収性能も高く、水分の吸・放湿性にも優れた快適な空間を作り出す建材です。
〜ボランティア活用でMICE開催効果の体験を創出〜
出島メッセ長崎では、同館で開催されるMICEやイベント運営をサポートするボランティアスタッフを募集し、現在50名が登録しています。コンベンションビューロー等でボランティア制度を有している地域は複数あるかと思いますが、施設自体がボランティアを抱えているケースは珍しいのではないでしょうか?これも、地元住民を巻き込んで、長崎でのMICE開催を盛り上げる取組みの一つであり、人材育成にも繋がる活動です。
SDGs・サステイナビリティに関するスタッフ教育はこれから、とのことですが、ボランティア制度と同様にスタッフがSDGsやサステイナブルな取組みに関与することで、理解が深まり、人材層も厚くなり、自然と企画提案やイベントマネジメントにも繋がるのではないでしょうか。出島メッセ長崎をはじめとする、MICEに係る今後の取組みも継続的にレポートしたいと思います。
出島メッセ長崎:https://dejima-messe.jp/
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