<海外情報>CVBや開催地マーケティングにメタバースを有効活用〜参加者を惹きつける5つの方法〜

コロナ禍において、渡航制限や感染症対策の観点から各種MICEや商談会、視察等がオンラインやハイブリッド開催となり、コンベンションビューローでも動画や専用ウェブサイトの活用が一般的になってきました。今後も当面は現状の開催方法が続くと考えられ、いかにオンライン参加者に満足感、没入感を提供するか、コンテンツやプログラムに工夫が求められるようになっています。海外の業界メディアにCVBにおけるメタバースの有効活用方法が掲載されていましたので、以下ご紹介します。

〜メタバースとは〜
一般的にインターネット上に作られた仮想空間のことで、アバターを使って他者と交流したりワークスペースとして活用ができるサービスとして捉えられています。年齢問わず流行った「あつまれ どうぶつの森」もメタバースです。会議サービス等のBtoB活用も広がりを見せています。

イメージ写真です。本文とは関連ございません


メタバース体験を通じて、参加者をデスティネーションに惹きつける手法があります。ここでは、コンベンションビューローがブランディングとマーケティング活動を強化する方法を探ります。

1. 現地視察用

パンフレットやホームページにおけるイベント会場や空間の効果的な紹介に、スチール写真は長きに亘り使われ続けています。その次に遠方からの視察にビデオ映像が出てきました。これからのメタバースでは、写真や動画が廃れることはないと思いますが、どのようなテクノロジーに統合されていくのでしょうか。

RendezVerseは、会議やイベントの主催者が、会場の選定や計画段階で、現地に足を運ぶ時間やリソースがないことを想定して作られています。「RendezVerseは、現実の環境の3Dモデルを作成し、VRヘッドセットを使用して、人々がアバターとして出会い、歩き、話し、無限の可能性を探求することができます」と、同社のプレスリリースには書かれています。

ヒルトン、フォーシーズンズ、マリオットがこの技術の開発パートナーですが、その理由は簡単です。バーチャルな現地視察は、移動コストやCO2排出ガスを削減し、さらに時間の節約にもなり、これまでで最高の体験ができます。Notified社CEO Ben Chodor氏は「パソコンのマウスでは会場を正しく認識できない」と指摘し、「メタバースでは、その場所の大きさや範囲を感じることができる」と述べています。

コンベンションビューローは、メタバースを、「人々を物理的に集めるためのツールだ」と考えているFresh Wata社のような精通したテクニカルパートナーを見つけるべきです。「私たちは、多くの人にこの街に来てもらいたいと思っています。コンベンション・センターの新館ができたので、ご覧いただきたいです。」とFresh Wata社常務取締役兼CEO Tricia Costello氏は語っています。

イメージ写真です。本文とは関連ございません


2. 近未来的に見せる

「見せつける」という点では、どのような技術でもいち早く取り入れることで、先進性を示す要素があるのは確かです。アトランタ観光コンベンションビューロー(アトランタCVB) エグゼクティブバイスプレジデント兼最高マーケティング責任者Andrew Wilson氏によると、アトランタCVBは常に競合都市よりも先行していることを示す努力をしているそうです。「2019年、私たちはOculusのヘッドセットをSXSWとAmerican Society of Association Excecutiveの年次総会に持参し、参加者がアトランタ周辺のエリアをバーチャル体験できるようにしました。仮想世界のプラットフォームを使ったわけではありませんが、テクノロジーに関して我々がいかに先進的であるかを示すことに成功しました」とWilson氏は指摘します。

Costello氏は、ヘッドセットの価格が下がり、一部のツールではデバイスを装着せずに体験できるようになった今が、まさにそのタイミングであると付け加えています。


3. 視聴者を増やすために

ミーティング/イベントプランナーがコンベンションビューローや施設の関係者と常に会えるわけではないのと同様に、会議やガラパーティー等の参加者にも同じことが言えるでしょう。そのような客層を完全に失うのではなく、メタバース的な要素を導入することで、より多くの客層を取り込むことができるのです。

Atlanta Braves社長兼CEOのDerek Schiller氏は、「ファンの皆様がチームやお気に入りの球場とつながる新たな方法を創り出す。とてもワクワクします。デジタル版のTruist Parkは、メタバースにおいてファンとのユニークな関わりを生み出す無限の機会を提供することになるでしょう」と述べています。

Braves社のビジョンには、以下のようなコンテンツがあります。
– アバターの作成とカスタマイズ
– Bravesクラブハウス、モニュメントガーデンなど、Truist Parkとバッテリーアトランタの専用エリアを探索できる
– 限定コンテンツ、パフォーマンス、交流イベントが楽しめる
– 世界中のBravesファンと交流できる
– インタラクティブな機能でBravesの歴史を体感
– Braves 2021年ワールドシリーズ優勝の祝賀
– ゲーム、イースターエッグの発見、賞品の獲得など

イメージ写真です。本文とは関連ございません


同じ原理を、都市内の会議やコンベンションに簡単に適用することができます。適切に行われれば、メタバースは、単にウェビナーに参加するのではなく、自宅やオフィスの外で体験しているかのような感覚になるでしょう。

4. 小規模なイベント開催に

都市部では、博覧会、コンサート、スポーツなどは常に対面式が好まれますが、だからといってバーチャルイベントがどこにも行かないということではありません。Wilson氏は、参加者200人以下のネットワーキングや教育ベースのプログラムをメタバースで実施することを想定しています。

一方、Chodor氏は、イベント参加者が3日間続けてヘッドセットを着けて参加することは(まだ)考えませんが、3D技術は新しいスキルを教えたり、あるテーマについてさらに理解を深めたりするのに理想的だと述べています。「車のエンジンを見て、その車に座った時の感覚を知ることができるのは、非常に説得力があります」と、彼は言います。

例えば、医学関連の会議で有名な都市では、今後会議のビッドの際に、この技術を強調することができます。このようなインタラクティブなデモンストレーションは、何百人もの出席者を相手に直接再現することは困難だからです。

5. 古き良き時代のマーケティングに

誰かが見逃しているものを示すには、それを見せる以外に方法はないでしょう。このアイデアは、バーチャル体験であればあるほど、潜在的な参加者や訪問者が本物を渇望する可能性が高くなります。

「これは本当にクールな体験です。バーチャルでは、ウォータースライダーやラスベガスの歓迎看板の周りに移動することができますし、それらの散策路やイベント会場には、コンベンションビューローはポスターやビルボードのような看板を設置することができるのです」とCostello氏は言います。

Wilson氏はまた、メタバースを自身のチームの目標の拡大として捉えています。「私たちは、認識を変え、以前はなかったものを渇望させ、購買意欲を高めることを追求しています。現実世界でも仮想世界でも、開催地を最もよく表すと思われる体験をキュレーションして形成することで、自社ブランドを継続的に明確にしていきます。」

イメージ写真です。本文とは関連ございません


出典:MPI NEWS BRIEF March 10, 2022

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事 おすすめ記事
  1. 11月10日(水曜)19:00〜「MICEにおけるオープンエアの再発見」

  2. <小堀守氏>持続可能な日本型MICEの構築に向けて

  3. サイト開設にあたって

  1. <専門用語>ウォーターフットプリント〜私たちの暮らしとの関わり〜

  2. <東京観光財団>ミーティング・インセンティブツアー実務ガイドブック

  3. <海外情報>2022年イベント業界予測 SDGsがトレンドに

カテゴリー

アーカイブ

検索

TOP
TOP