<岡山>田畑の獣害として駆除された獣皮を有効活用、レザークラフト体験コンテンツ

田畑を荒らす有害獣として駆除されている鹿や猪。最近ではジビエとして食肉利用する動きも増えていますが、獣皮はほとんどが廃棄されているのが現状です。獣皮は畜産で管理された動物の皮とは異なり、個体差や傷、色むらなどが多く見られるため、同じ方法で鞣しても一点ずつ硬さや厚さ等が異なり既製品の商品を作るには扱いにくさや、鳥獣害対策で捕獲された個体は猟師の方が個人で処理するケースが多いために仕入れの難しさという課題もあって、一般流通はほとんどされていません。
獣害を減らすためにも駆除は必要ですが、そのまま廃棄されるのはもったない。地域の課題を解決しながら、資源化できないか、と獣皮を有効活用のために活動しているのが「建部獣皮有効活用研究所(TALABO)」です。同研究所では、「廃棄される獣皮」を加工・革製品として販売し、「利益を生み出す資源」として活用することで地域に新たな経済の循環を作ることを目指しています。

〜ジビエレザーには一般に流通しているレザーとは異なる魅力も〜

あまり馴染みのない獣皮ですが、猪は毛穴が開いているために通気性に優れ、引っ掻き傷にも強く、ちりめん状に細かく寄った不規則なシワ模様である「シボ」が独特な表情を創り出すという特徴があります。
鹿はとても柔らかく、しっとりした風合いで高級手袋の素材としても使われています。このように、野生生物の皮には個性的で畜産された生物とは異なる魅力があるのです。

鹿皮は柔らかく手触りも良い


〜ジビエレザーを使って実用的なアイテム制作を体験〜

この度、おかやま観光コンベンション協会、岡山市、建部獣皮有効活用研究所(TALABO)が共同で、この獣皮を資源として活用し、MICE参加者向けにキーケースやカップスリーブ、コードホルダー等のレザークラフト制作体験コンテンツを開発しました。
この体験プログラムは制作の所要時間が異なる複数のアイテムが用意されており、主催者が体験に割ける時間に応じてカスタマイズが可能で、金具の取付けや刻印で好みのデザインに仕上げる等であれば30分程度、ひと針ひと針縫い上げ完成させる場合は2〜3時間と、柔軟にプログラムを組むことができます。
また、どのような獣害があり、この活動によってどのような循環が生まれるのか、本コンテンツの背景を説明するセミナーも可能で、企業や学会等でもSDGsプログラムとして導入する意義や参加による貢献を実感できるコンテンツとなっている他、出張対応も行っています。

レザークラフト体験のキット。制作するアイテムは希望のプログラム所要時間に合わせて選択可能
講師がレザークラフト用道具の使い方を教えてくれるので、簡単に本格的なアイテムを仕上げられる


〜サステイナブルなノベルティにも〜

ジビエレザーを使ったアイテム制作では、ロゴや企業・会議名といったオリジナルの刻印を刻むこともできるため、参加者の記念となるノベルティにもなります。
同研究所が使用するレザーは、植物性タンニンで鞣しているため、環境にも人にも優しい皮です。植物タンニンで鞣したものはどうしても変色・変化が起きてしまいますが、使い込んだ分、革が柔らかく色艶も増しますので、革を育て経年変化を楽しみながら、長く使い続けるというサステイナビリティを体感できるアイテムだと思います。

柔軟に設計できるプログラムはまさにプランナーの味方。地域の課題や生態系に関わる環境問題を考えながら、ジビエレザーを使った実用的なアイテム制作。ぜひ体験してみてはいかがでしょうか?

使い込むほどに味わいが出るので、愛着も湧く


建部獣皮有効活用研究所(TALABO):https://takejyu.com/
おかやま観光コンベンション協会:https://okayama-kanko.net/convention/

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